「「安全・安心」という言葉に疑問を感じている方もたくさんいらっしゃると思います。何故なら、安全は科学的根拠によって確保できますが、安心は情緒的で情動に訴えるもので、どうかするとそこが逃げ道になってしまう事があります。それが優良誤認という迷路に迷い込む原因となっている気がします。最近はどこを見ても「安全・安心」のオンパレードです。総理大臣や国会議員の皆さんも食品に関連した発言では必ず「安全・安心」という言葉が1セットで使われています。しかし、口でいくら「安心です、安心です」と言われても、言えば言われる程その安心の根拠はどこに有るのだろうと思ってしまいます。安全で信頼できる商品であってこそ安心という気持(情動)が生まれるものだと思います。その安全と信頼の商品を作る為の安全確保のシステムのひとつにHACCPシステムがあります。
食品の安全確保を科学的に裏づける方法として、HACCPシステムは国際的な標準とされています。このシステムは、あらゆる食品の製造段階で実施することができ、安全な食品を製造することにより食品事故の予防をしています。すでに飼料会社、農場、食肉処理場、食品工場、流通段階にHACCPが導入され、科学的な安全確保に努めています。
安全で高品質な食品づくりを目指して
~食品産業におけるHACCP手法導入を支援します~
(農林水産省、厚生労働省 平成20年9月発行のHACCPシステムのパンフレット)
安全で信頼される豚肉をつくるために乳牛、肉牛、養豚、肉用鶏、採卵鶏でHACCPの仕組みをとりいれたのが「農場HACCP」です。養豚場でも農場HACCPのシステムを導入して、科学的に安全が証明できる豚肉を作ろうと努力している農場が増えてきています。また、2009年8月に農林水産省から農場HACCP認証基準が公表され、食品の原料を生産する農場から食品の安全を担保する取り組みが始まっています。養豚場でもHACCPシステムを導入して安全な食品の生産に努めています。