「農場の豚がお肉(豚肉)になってテーブルに乗るまで」
※これを最近は-From Farm to Table-と言います
養豚場で生まれた豚たちは、農場の人たちの手により適切な飼育環境で育てられます。養豚場で働く人たちは、生き物を育てていると同時に、豚肉という食品をつくっているのです。養豚場では農林水産省通達の飼養衛生管理基準と食品の安全に関わる法律を遵守して豚を飼育しています。
養豚管理獣医師は農場を定期的に訪問し、豚が健康で、そして食品として安全な状態で育つためのサポートをします。豚舎の中には沢山の豚がいるので、病気をさせず健康に育つように病気の予防対策には特に気をつかいます。病気の検査は豚を健康に育てるため、そして安全な豚肉をつくるためには大事な仕事です。病気を検査する所(検査センター)でも獣医師が関わっています。万が一病気が発生した場合は、被害を最小限に留めるため抗菌剤などによる対策を取ります。また病気を未然に防ぐためにワクチンの接種を行います。ワクチンのプログラムや治療に関しては養豚管理獣医師が科学的な検査データに基き家畜伝染病予防法や薬事法を遵守しワクチンや動物薬の指示を行います。約半年かけて、115kg程度に育った健康な豚はトラックで食肉処理場に出荷されます。
ここで豚は豚肉という食品に変わります。したがってここからは農林水産省(生産農場)の手を離れ厚生労働省(消費者)の所管になります。食肉処理場では獣医師(食肉検査員)により1頭1頭が、と畜場法,食品衛生法の基準を満たしているか検査され、食肉として適切と判断された豚のみが食用として処理場から市場や食肉問屋さんなどに出荷されます。日本国内で毎日約6万〜7万頭(月140万頭ほど)の豚が処理され1頭1頭検査されています。
検査は、
などについて筋肉(枝肉)とお腹の中(内臓)の状態から総合的に判断されます。
検査に合格して食用可となった豚(枝肉)は市場や卸問屋さんを経由して衛生的な施設、工場で、カット肉やハム、ソーセージなどの加工品となりスーパーやお肉屋さんの店頭に並べられます。